「へん」なのは何だろう、とふと考える。 「さっちゃんと一緒に暮らせたらな」 というメールか。 そんなメールだけで本当に来てしまう自分か。 それとも駅の裏に見える灰色の工場か。 私は混乱している。 何をどう混乱しているのかは分からないけれど、多分これは「ふつう」ではないのだと思う。 ぐるぐると考えていると握った携帯電話が震える。 私に「しっかりしなさい」と言わんばかりに強く。 コウさんからだ。