もう一度、尋ねる。

永遠子は視線だけを向けていたが
渋々俺の方を向いて
夜の公園に叫んだ。


「宮塚仁ですけど何かーーーっ!!!」


これがクリスマスイヴじゃなかったら
一体どうなっていたことか。

町中に響き渡りそうなその声に
ハラハラとしつつも
嬉しさがこみ上げてくる。


満足?と言うばかりの視線を送る永遠子に
俺はニッと笑った。
彼女も、呆れたように笑った。


「高校、頑張れよ。」


今度はちゃんと、彼女の方を向いて
心から言える。

彼女も、力強く頷いた。


「うん。仁もね。」


昔よくやっていたみたいに、
俺たちは腕相撲のように手を組んだ。
それをお互いにグッと握り締め、笑う。


「負けねぇから。」
「ははっ!何によー。」
「永遠子の頑張りにー。」
「ウルサイ。照れること言うな。」


遠くで、俺と永遠子の両親の声が聞こえた。
弟と妹の声もする。

……おいおい。
早く寝ないとサンタが来ないぜ。