「ぅん!」

こんなこと隠したって仕方ない。
あたしは正直に話した。


『そ…っか。』


奏斗君はまた下を向いて、何も言わなくなってしまった。

あたしも真面目に聞きたかったし、お互い会話をせずに講義を受けた。


時間通りに終わると、あたしは教材を鞄につめてたちあがった。


その様子を横で見ていた奏斗君はあたしに視線を移した。


『帰るの?』


「ぅん!」


『いつもの子は?』


「玲於那はもぉくるとおもうから。」

そぉ言って微笑んでみせる。


奏斗君も、目尻を下げて笑った。