一方、彗はというと。


あたしとは違う大学へ進学した。


跡継ぎに相応しい人になるため、勉強が忙しいらしい。


だから、あんまりデートとかできないんだよね。


でも、彗の家に住むことになったあたしは。
いわゆる花嫁修行をしている。


毎日メイドさんと一緒にご飯を作ったり、
掃除を手伝ったり…


それをやりながらも大学へと通っていた。



コンコン


「彗?」



あの広いお屋敷にもだんだんとなれてきた。


やっとの思いで全部の部屋を覚えることができた。


まぁ、まだたまに間違えるんだけど;




『おはよう星羅。』



ニコッと眩しい笑顔を見せる彗。


ギュッと抱きしめてくれた彗。

あたしも彗を抱きしめかえす。