私たちは休みの度デートを繰り返していた。そんないつもと変わらずドライブを楽しんでいる時たくちんが言った。
「もうほとんどの行楽地に行ったよね」
「確かにもう行くトコないね」
「どこ行こっか…」
「うーん、うーん」
そして車は走り出した。
「どこ行くの?」
たくちんは黙って車を走らせていた。目の前にホテル街が見えて来た…
「もしかしてホテル?」
たくちんはだまったまま一件のホテルへと入って行き車を止めた。
「着いた!」
「ホテルで何するの?」
「瀬菜のカラオケ大会!」
「…………」
私は黙ってたくちんの後を着いて行った。
たくちんはベッドへ腰掛け
「さぁどうぞ。好きなだけ歌って」
私もそろそろネタ切れだった。
「うーん、何歌おう」
本をパラパラめくっている時だった。急に体が宙に浮いた。
「えっ?は?何?何すんの?」
たくちんは私をお姫様抱っこしたままベッドまで行きそして静かに下ろした。
起き上がろうとした時たくちんが上から体重をかけずに覆い被さってきた。
「瀬菜?ダメ?」
「………………」
「初めてじゃないよね?」
私はうなずいた。嘘だった。本当は初めてだったんだ。
たくちんは優しくキスをしてきた。私は体が凍りつきされるがままだった。
「瀬菜?緊張してる?大丈夫だよ。俺も緊張してる」
私はしっかりと目をつぶった。体が溶けてしまいそうだった。…………………………………

2人は裸でベッドの中にいた。私は恥ずかしくてたくちんの顔をまともに見る事が出来なかった。
「瀬菜?こっち向いて」
「やだ」
「何で?」
「恥ずかしいもん」
たくちんは手で私の顔を持ち上げた。
「かわいいよ」
恥ずかしさの余り顔から火が出そうだった。