そう言うと二人は駅構内に入った。

「ねぇ、さっきからあの人こっち見てない?」

景子が唯呼に耳打ちする。

「えっ?どの人?」

「ほら、あっちのベンチに座ってる人」

二人がちらちらと見ていると急にその男が立ち上がり二人の方に近づいてきた。