「…だって、梓には水稀がいるじゃない」

軽く微笑みながら、
わたしは言った。



水稀…。

水稀の名前を口にするたび、胸がチクンとなる。




水稀は梓の恋人。
それは変えることの出来ない事実。




だけど…。

嫌いなら、
優しくなんてしないで欲しい。


突き放して欲しい。



優しくされると、
心が揺れるよ。