さっきの梓は、 怖かったけれど昔の優しい彼だった。 でも保健室を出ていく瞬間の梓は、 またいつもみたいな彼。 冷たい彼に戻っていた。 それでも、 やっぱりわたしは梓が好き。 忠告されて、 一瞬自惚れてしまった。 冷たくされても、 優しくされても、 梓が好きなんだよ。 掴まれた腕に手をやる。 残された梓の熱い温もりがそこにあって、 心が満たされていった。