いつもなら、
梓に会えるだけで幸せ。

ううん。
梓を見てるだけで大満足。



だからこそ梓が近くにいる時は、それ以上に幸福を感じて、
どうしようもなくなる。




けれど今は…。




――タイミングが悪すぎだよ…。

心の中で、
そう言った。



「紫音ちゃん」

鳳くんがわたしの名前を呼んだ。
びくんとして彼を見る。


「さっきのこと、考えておいてね」