大嫌いでも大好きだから


「紫音、おはよん」


透き通るアルトの声が、
ふと響き渡った。



ざわついた昇降口の中。

彼女の声だけ一際綺麗に聞こえる。



振り返って声の主を見ると、
わたしは小さく微笑んだ。


「おはよう、水稀」

そう言いながら、
靴を履き替える。

水稀もそれに習って、
下駄箱に靴を入れた。