そう思っていたけど。




「…はよ」



…え?


ボソッと、
そんな声が聞こえた。

わたしと桃ちゃんは、
驚いて梓を見る。



今、『おはよう』って言ったの…?



「しーちゃん」

そんなふうに戸惑っていると、
隣にいた桃ちゃんがわたしの服の袖を引っ張った。

彼女の顔を見ると、
意味ありげにウインクをしてくる。


梓に返事しろ、って言いたいの…?



「お…はよ」

「ん…」