「ホント理解出来ないよ、西野くん」


はぁ。

腰に手をあてて、桃ちゃんは溜め息をつく。


そのまま、
わたしの隣の席を見た。



まだ座る主がいない、
淋しい席。



「隣の席なのに…辛いよね」

「うん…」


そう。

わたしの隣の席は梓。



率直に言えば、
嬉しい。


だって、
誰よりも梓の近くにいることが出来るのだから。



でも、梓はわたしが嫌いだから。

お世辞にも、
居心地が良いとは言えないな。