口に微かな感触。 ふんわりと、優しい―――。 それが何か、すぐには分からなかった。 ぼんやりとした思考の中で、准が誰かに呼ばれて部室を急いで出て行ったことだけは分かった。 今のは…? 目を覚ます。 意識がはっきりしてくる。 てか、 今のって、もしや… いや、あれは絶対に 唇の感触。 …………キスの感触。