「薬学部ですから……薬剤師免許は取るつもりです。薬局か製薬会社にでも勤めることになるでしょうね」
「はっきりとは決めてないということか?」
「まだ卒業まで二年あります。その間、進むべき道を見極めるつもりですが」
答えながら、徐々に呼吸が乱れてきてることに気付いた。
息が苦しい――――なんだ?
この、言い知れない不安は――――なんだ?
父と母の顔に緊張の色が走ったような気がした。
神薙蓮実の澄ました顔からはすっと表情が消える。
「あと二年も時間を無駄にする必要はない」
「……それは、どういう意味ですか」
聞きたくはないのに自然と質問が口を出た。
手足が冷たい。体中から血の気が引いている。
まさか、という思いが重く肩にのしかかる。
そして神薙からは、とうとう決定的な一言がもたらされた。
「神薙を継げ」
な――――
なぜ、今更。
「はっきりとは決めてないということか?」
「まだ卒業まで二年あります。その間、進むべき道を見極めるつもりですが」
答えながら、徐々に呼吸が乱れてきてることに気付いた。
息が苦しい――――なんだ?
この、言い知れない不安は――――なんだ?
父と母の顔に緊張の色が走ったような気がした。
神薙蓮実の澄ました顔からはすっと表情が消える。
「あと二年も時間を無駄にする必要はない」
「……それは、どういう意味ですか」
聞きたくはないのに自然と質問が口を出た。
手足が冷たい。体中から血の気が引いている。
まさか、という思いが重く肩にのしかかる。
そして神薙からは、とうとう決定的な一言がもたらされた。
「神薙を継げ」
な――――
なぜ、今更。

