一通り店内を見て回った二人は、店の外に出て、ガレージで車をいじってる店員さんに声をかけた。
その人が店員さんと分かったのは「はい、何でしょう?」という返事から察しがついたのだけど、着ている服はツナギの作業服で薄汚れていた。
それからなにやら話し込む三人。
と、おもむろに拝島さんが私の方を振り返り、「おーい」と手招きをした。
「はーい、何ですか?」
暑いから店の中に待機してたあたしは仕方なく陽射しの強い外に走り出る。
「これから試乗させてもらえることになったんだ」
拝島さんは嬉しそうにそう言った。
「試乗って、車に乗るんですか? もう買ったんですか?」
答えるあたしに、
「違う。試乗ってのは書いて字の如くお試しで運転することだ」
やや軽蔑の混じった口調で説明をくれる朽木さん。
「そんな冷ややかな目で見ないでください。萌えちゃうじゃないですか」
「その口にチャックがついてたらどれほど良かったことか……」
そんな軽い応酬の後、店員さんが出してくれた車にあたしは目を奪われた。
「わっ! 可愛い!」
それは、あたしの背丈よりも小さな赤い車。
あたしが知ってる車は大抵横に長いのだけど、これは短くてこじんまりしてる。
あまり丸みのないデザインながらも、どこかぽてぽてとした可愛らしい印象だった。
「ミニっていうんだよ。これが一番欲しかったんだ。在庫があってラッキーだったよ」
その車の屋根をなでなでしながら拝島さんが言った。
全体が赤い色なのに、屋根は白なんだこの車。そこがまたキュート。
「ホント、いいですね~これ! でも、こんな小さい車に男の人が乗るんですか?」
「男も女も関係ないよ。人気高いんだよ、この車」
心底嬉しそうな様子。うわ。可愛い車にイケメン。これってかなり萌えポイント高いわ。
その人が店員さんと分かったのは「はい、何でしょう?」という返事から察しがついたのだけど、着ている服はツナギの作業服で薄汚れていた。
それからなにやら話し込む三人。
と、おもむろに拝島さんが私の方を振り返り、「おーい」と手招きをした。
「はーい、何ですか?」
暑いから店の中に待機してたあたしは仕方なく陽射しの強い外に走り出る。
「これから試乗させてもらえることになったんだ」
拝島さんは嬉しそうにそう言った。
「試乗って、車に乗るんですか? もう買ったんですか?」
答えるあたしに、
「違う。試乗ってのは書いて字の如くお試しで運転することだ」
やや軽蔑の混じった口調で説明をくれる朽木さん。
「そんな冷ややかな目で見ないでください。萌えちゃうじゃないですか」
「その口にチャックがついてたらどれほど良かったことか……」
そんな軽い応酬の後、店員さんが出してくれた車にあたしは目を奪われた。
「わっ! 可愛い!」
それは、あたしの背丈よりも小さな赤い車。
あたしが知ってる車は大抵横に長いのだけど、これは短くてこじんまりしてる。
あまり丸みのないデザインながらも、どこかぽてぽてとした可愛らしい印象だった。
「ミニっていうんだよ。これが一番欲しかったんだ。在庫があってラッキーだったよ」
その車の屋根をなでなでしながら拝島さんが言った。
全体が赤い色なのに、屋根は白なんだこの車。そこがまたキュート。
「ホント、いいですね~これ! でも、こんな小さい車に男の人が乗るんですか?」
「男も女も関係ないよ。人気高いんだよ、この車」
心底嬉しそうな様子。うわ。可愛い車にイケメン。これってかなり萌えポイント高いわ。

