「もう合コンもナンパも絶対しない。誓うから」
「無理しなくていいわよ」
「無理じゃないよ! 今までは、女の子はみんな可愛くて、どの子もステキに見えたんだ。でも今は――」
「恋愛ごっこは他の女とやってくれる?」
突然、祥子の表情が厳しいものに変わった。
空気を凝固させる絶対的な拒絶。
取り合う気はないといった幕を下ろされ、高地さんは僅かに怯む。だけど高地さんも退く気はないらしく、ぐっと顔を寄せて祥子の視線を真っ向から受け止めた。
「これは、ごっこじゃないよ、祥子ちゃん」
「ちょっと! 何する気!?」
「大丈夫。何もしないから」
祥子が身をよじっても、そこはさすが男の力。びくともしない。祥子の表情に焦りが浮かぶ。
ドラマみたいな展開になってきてドキドキだ。けど、それ以上祥子に触れるのはおかーさん許しませんよ!
ぎりっと奥歯を噛み締めるあたし。
その時、あたしの視界の隅に、芝生の上でごろんと寝転がる猫の姿が映った。
「お願いだから、ちゃんと話を聞いて――」
「誰がその手に乗るか! 人を呼ぶわよ!」
「イテ! ちょっ、ちょっと祥子ちゃん、暴れないで!」
「顔が近いっ!」
「別に何もしないってば! 真面目に聞いて欲しいだけで……」
「聞く耳持たんわ!」
「なんでそんなに意固地なんだよ! あ~~もうっ!」
ぐっと祥子の肩を引き寄せる高地さん。
祥子の顔が、一瞬高地さんの腕の中に収まる。
「俺のコト信じて。俺は……俺は本気で――」
抱きしめながらの真剣な告白。だが残念ながらそこまでだ。
「無理しなくていいわよ」
「無理じゃないよ! 今までは、女の子はみんな可愛くて、どの子もステキに見えたんだ。でも今は――」
「恋愛ごっこは他の女とやってくれる?」
突然、祥子の表情が厳しいものに変わった。
空気を凝固させる絶対的な拒絶。
取り合う気はないといった幕を下ろされ、高地さんは僅かに怯む。だけど高地さんも退く気はないらしく、ぐっと顔を寄せて祥子の視線を真っ向から受け止めた。
「これは、ごっこじゃないよ、祥子ちゃん」
「ちょっと! 何する気!?」
「大丈夫。何もしないから」
祥子が身をよじっても、そこはさすが男の力。びくともしない。祥子の表情に焦りが浮かぶ。
ドラマみたいな展開になってきてドキドキだ。けど、それ以上祥子に触れるのはおかーさん許しませんよ!
ぎりっと奥歯を噛み締めるあたし。
その時、あたしの視界の隅に、芝生の上でごろんと寝転がる猫の姿が映った。
「お願いだから、ちゃんと話を聞いて――」
「誰がその手に乗るか! 人を呼ぶわよ!」
「イテ! ちょっ、ちょっと祥子ちゃん、暴れないで!」
「顔が近いっ!」
「別に何もしないってば! 真面目に聞いて欲しいだけで……」
「聞く耳持たんわ!」
「なんでそんなに意固地なんだよ! あ~~もうっ!」
ぐっと祥子の肩を引き寄せる高地さん。
祥子の顔が、一瞬高地さんの腕の中に収まる。
「俺のコト信じて。俺は……俺は本気で――」
抱きしめながらの真剣な告白。だが残念ながらそこまでだ。

