とんでも腐敵☆パートナー

 ここで高地さん、突然祥子の両肩にがっしと手をかけた。
   
「ちょっと……っ!」
   
 慌てる祥子を真正面に向かせ、真っ直ぐ目を見つめる。後ろから見ると、向き合う二人の横顔がこれからキスシーンに突入する恋人同士のように映った。
 
 ちょいちょい、そこなツンツン頭。
   
「祥子ちゃん、俺、本当に……本気なんだ」
   
 ふ……。いきなり本気モードとはね。
 
 きらりーんと目を光らせるあたし。(気分)
  
 せっかくの告白ムードを邪魔するつもりはない。
 
 なんとか祥子に真剣さを伝えようとする高地さんの気持ちは分かる。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまうので本当に邪魔しちゃ悪いとは思うんだけど。
 
 でも、嫌がる祥子の肩を掴んで迫るのは行き過ぎですぜ、高地さん。
   
 
 万が一に備えて身構えつつ成り行きを見守る。
 
 
 
「離せっ! セクハラ3よ!」
   
「やだ。祥子ちゃんが信じてくれるまで離さない」
   
「信じるもなにも全く興味ないんだけど」
 
 祥子のつれない返事に一瞬気勢を削がれ、言葉を詰まらせる高地さん。でもすぐ立ち直り、真剣な表情になる。