「祥子ちゃん、こないだ海ではホントにごめんね」
高地さんは唐突に話を切り出した。
「いきなりなによ」
「いや、やっぱ、ちゃんと謝っておきたくてさ」
「あれはもう忘れて欲しいくらいなんだけど」
答える祥子の声は不機嫌そうにトーンを落とす。祥子にとってあれは失態だったわけだから無理もない。
「え? そ、そう? 俺には忘れようにも忘れられない出来事なんだよ。祥子ちゃんが倒れたことだけじゃなくてさ」
そこで一旦言葉を切り、俯き加減にもじもじしだす高地さん。
「ボートに祥子ちゃんが乗ってくれたの、ホントに嬉しかったし……」
心底嬉しそうに言う。
今までどんだけモーションをスルーされてきたのやら。ちょっと気の毒。
「まぁアンタがボートを膨らましたのが全ての元凶っちゃ元凶ね」
「そ、それは……。えーと……」
「謝罪は聞き飽きたわよ。それでなに? 私に合コンのツテや女友達の紹介を期待しても無駄だからね。言っとくけど」
じろり、とでも睨んでそうな冷ややかな祥子の声は周囲の温度を一気に下げた。
やっぱりというかなんというか、祥子はまだ高地さんを全然信用してない。今日映画に誘ったのも何か下心があってのことと思ってるんだ。
いや、確かに祥子に対する下心はあるワケだから言い訳のしようもないだろうけど。
高地さんは唐突に話を切り出した。
「いきなりなによ」
「いや、やっぱ、ちゃんと謝っておきたくてさ」
「あれはもう忘れて欲しいくらいなんだけど」
答える祥子の声は不機嫌そうにトーンを落とす。祥子にとってあれは失態だったわけだから無理もない。
「え? そ、そう? 俺には忘れようにも忘れられない出来事なんだよ。祥子ちゃんが倒れたことだけじゃなくてさ」
そこで一旦言葉を切り、俯き加減にもじもじしだす高地さん。
「ボートに祥子ちゃんが乗ってくれたの、ホントに嬉しかったし……」
心底嬉しそうに言う。
今までどんだけモーションをスルーされてきたのやら。ちょっと気の毒。
「まぁアンタがボートを膨らましたのが全ての元凶っちゃ元凶ね」
「そ、それは……。えーと……」
「謝罪は聞き飽きたわよ。それでなに? 私に合コンのツテや女友達の紹介を期待しても無駄だからね。言っとくけど」
じろり、とでも睨んでそうな冷ややかな祥子の声は周囲の温度を一気に下げた。
やっぱりというかなんというか、祥子はまだ高地さんを全然信用してない。今日映画に誘ったのも何か下心があってのことと思ってるんだ。
いや、確かに祥子に対する下心はあるワケだから言い訳のしようもないだろうけど。

