手を引っ張られて歩く桃子。


懐かしくて嬉しかった。


初めて佐紀と遊びに行った日も

佐紀に手を引っ張られ遊園地まで歩いた。

もう、七年も前の事だ。

その時から桃子と佐紀の身長差は無く
見た目いっしょだった。



昔の事を思い出しながら歩く桃子。


《あっ! 雨!》


佐紀は桃子の手を強く引っ張り
早足になった。


『痛いよ!佐紀ちゃん』

《もぉお、はやく 歩いてよっ》


雨が一段と激しくなって来た。



『あ〜 ダメだな今日!どうしよう?

そうだっ!
久しぶりに佐紀ちゃんち

いいよねぇ』


《いいわよ、じゃっうちねっ

行くよっ、はやく!》


佐紀のマンションに着いた二人。


《ただいま〜、もも 連れて来た〜》


『こんにちはぁ お久しぶりで〜す。』


家の者が出て来る間もなく佐紀の部屋へ入った。

《そのへんに座って、紅茶でいい?》

そう言って部屋を出ようとしたが
ドアとは逆の窓際の机に
机の上の写真を俯せにし
そして部屋を出ていった。


桃子は佐紀の行動を見ていた。


写真を見たい衝動に駆られる桃子。