佐紀から電話だった。
《ちょっと〜 今どこよっ》
桃子は辺りを見渡した。
あれ〜?
なんで?
自転車置場の前に居た。
《ちょっとっ聞いてる、もも!》
『笑っちゃうよっ今ねぇ自転車置場
はっはっはっ、ごめん』
桃子は無意識のうちに
改札の西100m自転車置場前に居た。
《なに笑ってんのよ、はやく着て!》
『はぁ〜い』
桃子は佐紀に何時も甘えている。
改札前に移動した桃子。
先に、佐紀が見つけ近寄り
《もぉおぅ なにやってんのよ〜》
『へへっ、おっかしぃなぁ』
佐紀は桃子の手を引っ張り歩きだした。
同い年の二人だが、佐紀のほうが
しっかりしている。
《なんで自転車置場にいったのよ》
『えっ!』
彼との事はまだ佐紀には言えない。
『なんとなく、前に歩いてる人に付いてちゃったハハハ』
《ハハハじゃないわよっ本当、自由なんだからぁ
最近なんかあった?》
佐紀の言葉に動揺した桃子。
『なっなっなっ 何もないわよ〜』
《声が上擦ってるわよ!分かりやすいんだから》