白衣の悪魔のキスの味

ドキドキしたんだよ。



キスだと思って、



すっごくドキドキしたんだよ。



たとえそのキスが、目の前で泣いてる可哀想な子を慰める為の“同情のキス”だとしても、



気持ちのない、ただの“口づけ”だとしても、



あたし…



それでも、あたし…



すっごく嬉しかったんだよ。



だって…



それでも“先生のキス”には変わりないから。



“好きだった三村くん”とは違う、



“大好きな先生”とのキス…



だから…



たとえ先生に気持ちがなかったとしても、



あたしにとっては、すごく“意味のあるもの”だったんだよ。



なのに…



「先生の…ばかぁ…」



「………」



「何もする気なかったんなら…初めっから期待なんてさせないでよぅ……ばかぁ…」



「………」



ヒドい。



ヒドすぎるよ。



……先生。



あたしの気持ち、



少しは察してよ。



先生のシャツの袖をグイグイ引っ張った。