初想〜はつこい〜



「……そんなことないよ!!一ノ瀬君は昔と変わってないよ」


「はっ……んなわけねーだろ」


「確かに見た目は昔と違うよ……。
でも心は昔も今も変わってないよ」


「なにが…わかん……だよ」


一ノ瀬君の目に涙が溜まっていた


「少しの期間でもそれぐらいわかるよ…」


「……」


「最初は怖い人だと思ってた。

女ギライとかいってるし……

女の子が私1人って聞いたときは不安だった。

でもね……」


「………??」


「私がピンチのとき助けてくれたでしょう?

毎日、ぶつくさ言いつつも傍に居てくれたでしょう?

そりゃ…
お茶会であの時の男の子が一ノ瀬君って聞いたときは驚いたけど……

でも……嬉しかった。」




「嬉しかった………??」


一ノ瀬君が顔をあげた


「うん。
一ノ瀬君があの時の男の子だって聞いて嬉しかったの……」


私は笑顔で答えた