「うわぁッ!!」






後ろにいたのは、まぎれもない『井田ユリ』だった。







「隣、いいかな?」







「どどどどうぞッ!!!」






変に上ずった声……、なんて僕はダサイんだ……。





恥ずかしさで顔が上げられない。また床とにらめっこだ。僕ってつくづく……







「私ね……?」








「う、うん!?」






「男の人と話すの……苦手でね…」








「話すのが…苦手?」






井田ユリは一回だけコクンと頷いた。さっきは部屋の中が暗かったせいで気づかなかったが、始めに見たときよりも、井田ユリの頬には健康な赤みはなくて、少し…疲れたような表情をしていた。