「雄一郎ー、今日カラオケ行かねぇ?」







「あー、ゴメンッ!今日は無理なんだよッ!!」








メール来てからもう十五分……







これは…ヤバイッ!!






机の横に置いてあった自分のカバンをひったくるように肩にかけ、大地の呼びかけに返事もしないまま、猛ダッシュで校門を出た。








《メール送って二十分以内》







それがカノジョの我慢の限界。あと五分でカノジョの学校まで行かなくてはいけない…。ここから走っても多分間に合わない……。






だけど、僕は止まらなかった。いや、止まれなかった。ただでさえ、間に合わないのに、ここでゆっくり歩いて行ってでもしてみれば……、きっと僕の命はないだろう。








できるだけ早く、早く着くように、この炎天下の中太陽の下を汗を拭わず走り続けた。