「……おい」 私のブラウスのボタンを開けかけた手を止めて、菅原くんが私に話しかけた。 離れていく、手。 私は、ゆっくりと目を開けた。 馬乗りの姿勢だった菅原くんは、ソファーの脇に立って、私を見下ろしていた。 無表情に。 冷たい目をして。 「…なんで、抵抗しない?」 は? 抵抗されたいとか、思ってるの? 「俺にならナニされてもいい?」 私が何も言わないでいると、無言をどう解釈したのか菅原くんは言った。 無機質な、声。 何の感情も感じられない。 「……そ…」