「松井、お前席そこな」
菅原くんが真ん中あたりの席を指さしそう言う。
「あれが噂の女子…」
「スカート長い!ていうか地味じゃね?」
「おい山本、聞こえるだろうが。女子ってのはすぐ泣くんだから、たとえ本当でも言っちゃダメなんだよ」
悪かったね地味で。
ていうか声ひそめても聞こえてるし。
まあ、泣いたりしないからご安心を。
「ココ、よろしくね!」
前の席には鶴屋くんが座っている。
後ろは、このクラスで一番無害そうな眼鏡の男子。
左隣は今はいないけど、さっき菅原くんが荷物を置いていたからたぶん彼の席なんだろう。
そして、右隣。
うわっ…軽そうな奴。
顔のパーツは悪くないけど、遊ばせた髪といい、初日から着崩した制服といい、キツすぎの香水といい、複数の女の匂いがぷんぷんする感じ。
私の、一番苦手だったタイプだ。
だった、というのは、その情報は最近上書きされたから。
上っ面が完璧な狼男、に。
菅原くんが真ん中あたりの席を指さしそう言う。
「あれが噂の女子…」
「スカート長い!ていうか地味じゃね?」
「おい山本、聞こえるだろうが。女子ってのはすぐ泣くんだから、たとえ本当でも言っちゃダメなんだよ」
悪かったね地味で。
ていうか声ひそめても聞こえてるし。
まあ、泣いたりしないからご安心を。
「ココ、よろしくね!」
前の席には鶴屋くんが座っている。
後ろは、このクラスで一番無害そうな眼鏡の男子。
左隣は今はいないけど、さっき菅原くんが荷物を置いていたからたぶん彼の席なんだろう。
そして、右隣。
うわっ…軽そうな奴。
顔のパーツは悪くないけど、遊ばせた髪といい、初日から着崩した制服といい、キツすぎの香水といい、複数の女の匂いがぷんぷんする感じ。
私の、一番苦手だったタイプだ。
だった、というのは、その情報は最近上書きされたから。
上っ面が完璧な狼男、に。

