あなたの方がよっぽど変な子ですよ、という台詞をのみこんで、私は希くんにニッコリした。
「よろしくね、鶴屋くん」
別に人と積極的に関わるタイプじゃないけど、人間嫌いというわけでもないし、わざわざ嫌われる態度を取るわけにもいかない。
「夏っちゃん、早く講堂行こー」
……はいはい、聞いてませんね。
「おい…引っ張んな希…行くから」
菅原くんはなぜか私を引っ張る。
「何すんの!この制服なんぼすると思ってんの!?」
「払ったのはお前じゃねぇだろ。引っ張られんの嫌なら早く歩け」
…う。
確かに、制服も鞄も必要なものは全部学園から支給された。
つまり、菅原くんの家が払ったんだ…。
言い返す言葉がない。

