「あ、うわさの女子!」

「マジ?襲え!」


寮から出た瞬間、あっという間に不良に囲まれてしまった。

襲えって。

ひどくないですか。


目の前には、目がぎらぎらした狼たち。


逃げ場…なし。

勝ち目…なし。


「いけーっ!」

襲われる…!

私はぎゅっと目をつぶった。


あれ…こない…?


「困るよ松井。俺をおいてっちゃ」

この声は…

振り向くと、普通に立ってる菅原くん。


「す…菅原…」

男たち…怖がってる?

この人数が一人を怖がってる…?