そんなことを考えると、見知らぬイケメン君にも腹が立ってきた。
「紹介するわ。菅原夏月、私の息子よ」
「はじめまして、松井胡々さん。ようこそ星燐学園へ」
…前言、撤回してもいいですか。
この人はきっと、性格も王子に違いない。
というか、この不良高校で、こんな人が私のお守り係?
大丈夫なのだろうか?
なんというか、あまり強そうに見えないので。
「大丈夫よ。夏月は学校最強だから」
それは…大丈夫なのか?
不良の頂点?この王子が?
逆に心配だ。
「大丈夫ですよ、松井さんは、俺が全力で守ります」
その言葉に、危うく脳がとろけそうになる。
危ない危ない。
勉強しかとりえがないっていうのに。
脳が溶けたりしたら、勉強もくそもないだろうから。
「じゃあ、あとは若いお二人で」
理事長。
お見合いじゃないんですけど。
そんなツッコミをする前に、理事長を乗せた車は走り去った。
私と、菅原くんだけを残して。
「とりあえず、学校を案内しますね」