中野樹里はそういい残して早足で去っていった。私は彼女の後ろ姿を見届けるとゆっくり立ち上がり、鏡のある方へ歩いた。
「ひどい顔…。こんな顔で彼と会ったら嫌われちゃうわ…」
そう一人で呟いて私は涙のあとを拭った。そして鏡の前で笑顔をつくると今日の事件を忘れてしまうような美しい月が私を照らしていた。
私は後日警察に呼ばれ事情聴取を受けた。聴取は散々なものだった。学校と警察との行き来で私は次第に疲れていた。そんな時だった。私の体に異変が起きたのは。
いつものように私は朝早く起き、学校にいく支度をしていると今日はいつもにも増して体がだるい。すごく気持ち悪い。
「何なの、これ…。」
のどに何か詰まるものを感じ、慌てて洗面台へ駆け込む。気持ち悪い。体中が私を拒否しているようだ。私の体はどうなってしまうんだろう。
「妊娠、三ヶ月目に入っていますよ。」
突然、医者から言われた言葉だった。私は複雑だった。喜んでいいのか、悲しむべきなのか、戸惑った。
赤ちゃん…私の中にもう一つの命が宿っている。大好きな彼の子ども…。このまま教師を辞めてこの子を育てようか。それとも何もなかったようにおろして教師を続けようか。私は、迷っていた。
けれど、彼がいない今、一人では自分が食べていくのに精一杯だ。この子を産んだところで果たして幸せに不自由なく生活させてあげられる自信があるだろうか。それに、やはり、教師は私の夢だった。それを簡単には辞められない。でも…。
最初で最後になったあの夜…彼はどんな思いで私を抱いたのだろう。どれだけ私を愛してくれただろう。彼を思う気持ちは今も変わらない。彼のために私ができることは何なのだろう。
「ひどい顔…。こんな顔で彼と会ったら嫌われちゃうわ…」
そう一人で呟いて私は涙のあとを拭った。そして鏡の前で笑顔をつくると今日の事件を忘れてしまうような美しい月が私を照らしていた。
私は後日警察に呼ばれ事情聴取を受けた。聴取は散々なものだった。学校と警察との行き来で私は次第に疲れていた。そんな時だった。私の体に異変が起きたのは。
いつものように私は朝早く起き、学校にいく支度をしていると今日はいつもにも増して体がだるい。すごく気持ち悪い。
「何なの、これ…。」
のどに何か詰まるものを感じ、慌てて洗面台へ駆け込む。気持ち悪い。体中が私を拒否しているようだ。私の体はどうなってしまうんだろう。
「妊娠、三ヶ月目に入っていますよ。」
突然、医者から言われた言葉だった。私は複雑だった。喜んでいいのか、悲しむべきなのか、戸惑った。
赤ちゃん…私の中にもう一つの命が宿っている。大好きな彼の子ども…。このまま教師を辞めてこの子を育てようか。それとも何もなかったようにおろして教師を続けようか。私は、迷っていた。
けれど、彼がいない今、一人では自分が食べていくのに精一杯だ。この子を産んだところで果たして幸せに不自由なく生活させてあげられる自信があるだろうか。それに、やはり、教師は私の夢だった。それを簡単には辞められない。でも…。
最初で最後になったあの夜…彼はどんな思いで私を抱いたのだろう。どれだけ私を愛してくれただろう。彼を思う気持ちは今も変わらない。彼のために私ができることは何なのだろう。

