女教師

「操り人形…?そのために、おやじとおふくろは殺されたのか。なんでおふくろはあんな奴と不倫なんかしてたんだよ。俺、全然知らなかった。馬鹿だよ、おふくろ。おやじまで、なんで殺されるんだ…。お、俺、おやじ達が死んで一度も涙なんか流したことなかったのに…。」
 彼は片手で二つの瞳を交互に拭った。その姿を見て私もまたこの人を守り抜きたいと心から思っていた。
 「あたりまえじゃない。自分の親が死んで悲しくない人なんかいない。ましてあなたはまだ高校生よ。受け止めきれなくて当然よ。」
 私は彼の頭をなでながらそうささやいた。
 
―傷ついた鳥を優しくいたわる様に
そしていつか一人で自由に飛び立てるよう   
に見守っていよう
恐れることはない 始まったばかりだから
残された人生に 悔いを残さないように
自分をそして他人を信じて 生きていこう―
「素敵な詩だね。」
「うん。でもこれまだ未完成なんだ。どうしてもこの続きが思い浮かばなくて…。」
彼は恥ずかしげに自分の書いた詩を私に見せ
た。
「…先生を抱いているとき思いついたんだ、これ…。」
「え!?」
私は自分の顔が徐々に赤くなっていくのを感じた。
「先生。俺いつか本当に歌手になりたいんだ。先生が教師になるのが夢だったように俺は歌を歌って多くの人を感動させたいんだ。」
「うん。いいじゃない。なれるよ、きっとあなたなら…。」