「コーヒー、頂けますか。」
私は根岸先生の質問には答えず、自分の注文を押し付けた。
「え、ええ。」
いつもの私の雰囲気じゃないことに気づき根岸先生は少し戸惑った。
「コーヒー、ないんでした。そこで買ってきます。」
いつものニコニコ顔を作り、根岸先生は出て行った。
私はスッと立ち上がり辺りを見渡した。いつ見ても豪華なシャンデリアに立派な家具。ここはまるでお城のようなイメージさえある。私は数ある扉のうち一つに目をかけた。そのドアノブにそっと手を触れる。そしてスッとドアが難なく開くとそこは寝室だった。部屋にはベッド、机、本棚に本がビッシリ詰まっていた。そして私はある1点の箱に着目した。鍵がかかっている。私は机の引き出しなどを気が狂ったようにあさりだした。意外に鍵はすぐに見つかりそっとその箱を開けてみた。女物のスカーフだろうか。恋人の物なのかそれとも母親の物なのだろうか。濃い緑色のスカーフでモダンな感じの模様が刻まれている。私はそのスカーフを広げてみた。染みのようなものが転々とある。よく目を凝らしてみるとそれが何なのかハッと気づいた。
「血?どうしてこんなに血が…。」
「勝手に人の部屋に入るのは感心しませんね。」
慌てて振り向くとそこにはいつものニコニコ顔の根岸先生の表情はなく、私を見下しながら佇んでいる姿があった。
「笹倉先生。知ってます?誰にも愛されない男が、人を愛して結局愛されずその愛した人を殺してしまう話…。」
根岸先生は口調と共にゆっくり私の方に詰め寄ってきた。
私は根岸先生の質問には答えず、自分の注文を押し付けた。
「え、ええ。」
いつもの私の雰囲気じゃないことに気づき根岸先生は少し戸惑った。
「コーヒー、ないんでした。そこで買ってきます。」
いつものニコニコ顔を作り、根岸先生は出て行った。
私はスッと立ち上がり辺りを見渡した。いつ見ても豪華なシャンデリアに立派な家具。ここはまるでお城のようなイメージさえある。私は数ある扉のうち一つに目をかけた。そのドアノブにそっと手を触れる。そしてスッとドアが難なく開くとそこは寝室だった。部屋にはベッド、机、本棚に本がビッシリ詰まっていた。そして私はある1点の箱に着目した。鍵がかかっている。私は机の引き出しなどを気が狂ったようにあさりだした。意外に鍵はすぐに見つかりそっとその箱を開けてみた。女物のスカーフだろうか。恋人の物なのかそれとも母親の物なのだろうか。濃い緑色のスカーフでモダンな感じの模様が刻まれている。私はそのスカーフを広げてみた。染みのようなものが転々とある。よく目を凝らしてみるとそれが何なのかハッと気づいた。
「血?どうしてこんなに血が…。」
「勝手に人の部屋に入るのは感心しませんね。」
慌てて振り向くとそこにはいつものニコニコ顔の根岸先生の表情はなく、私を見下しながら佇んでいる姿があった。
「笹倉先生。知ってます?誰にも愛されない男が、人を愛して結局愛されずその愛した人を殺してしまう話…。」
根岸先生は口調と共にゆっくり私の方に詰め寄ってきた。

