たった一人の家族を失った宝珠。 宝珠はわたしの何倍、こんな悲しい気持ちを背負ってるんだろう。 考えても考えても絶対わかりっこないのに、それでも考えずには居られなかった。 立ち尽くしたまま動かないわたしに、 「……ほれ」 「……なんですか?」 「舟瀬の住所と舟瀬のプリント。様子見に行ってこい」 乱雑に教科書やプリントが詰まれた机の隅っこに貼り付けてたメモを手渡してきた。 ……わたしなんかが行ってもいいのかな。 宝珠の冷たい眼差しを思い出して、思わず気後れしてしまう。