「もう! 周助早くしてよー!」


「……そんな急がなくても弁当は逃げねぇって」


「ダメ! 今日のは自信作だから早く食べて欲しいのっ!」



屋上の手前まで来た所で下の踊り場から声が聞こえてきた。



この春から無事うちの生徒になった白奈ちゃんが、さっきの体育で疲れ切った顔した周助の腕を引っ張ってる。



「自信作って……。別に昨日のも十分美味かったって」


「……周ちゃん大好きっ!」


「ぅわっ! 危ねぇって」


周助の言葉にパッと目を輝かせた白奈ちゃんが勢い良く抱き付いて。


赤くなった周助も口ではグチグチ言ってるけど絶対に振りほどいたりしないんだよね……。