フロントガラスを見つめ続けるその瞳はまるで遠い昔を見ているようで。 「……教えてください。なんであなたのせいなのか」 「…………」 「理由がわからなきゃ宝珠を救ってあげられないです……」 わたしの知らない宝珠がその中に居るなら知りたかった。 千愛にはわからない。 こう言って宝珠がわたしを拒んだなら。 わたしはどんなに些細なことだって知っておきたい。 そして。 宝珠が抱えてる傷を治してあげたいから。