葦原くんの心に触れたいって気持ちはきっと千愛を悲しませてしまう。 自分が決めたことに自分自身で矛盾を生み出してることが苦しい。 俯いて黙り込んでしまったわたしの頬に、髪に触れていた葦原くんの指先が触れた。 「そんな顔しないでよ。兄さんの居場所はちゃんと渋木先輩に伝えますから」 「えっ?」 「だから心配しないで」 そう言って小さく笑った葦原くんが触れていた指先をわたしから離す。 気が付けばコピー機から聞こえていた規則的な機械音は鳴り止んでいた。