振り払われた手より突き放された言葉より……その瞳がわたしを哀しくさせる。



「もう、いいから」


「……いいって、何が」


「独りにして」


「や、ヤダよ! 宝珠!」


青ざめた生気の無い顔色に伸ばしかけた手が、



「千愛にはわかんないだろっ!」



睨みつけられた視線と言葉に拒絶されてしまう。



それは再会した頃よりずっと冷たくて……。



せっかく通じ合った想いを一気に消し去ってしまうような……。
そんな衝動に駆られてしまった。



去って行く背中はすぐ届くところにあるのに……。



これ以上拒まれてしまうのが怖くて。



わたしは滲む視界で立ち尽くし、見送ることしか出来ないで居た。