「担任に用事か?」



「書類のことで呼び出されて」


「なんか色々落ち着くまでは面倒だな。転入姓って」


「まぁな。仕方無いよ」



わたしを挟んで向かい合った二人のクラスメート同士の他愛ないやりとり。




それを見上げながらも、罪悪感という名の胸の痛みはどんどん増していく。



もう一つの“ごめんなさい”。



それは。
ずっと宝珠だけを好きでいる約束を破ってしまった、自分への戒めだった……。