「おいで」 ベッドに座っていた宝珠に手招きされて前に座らされる。 まだ湿ってたわたしの髪を持っていたタオルでわしゃわしゃと拭いてくれる顔は柔らかい。 良かった……。 さっきまでの苦しそうな顔は消えてる。 「おばさんになんて言ったんだ?」 「えっと……宝珠の家に泊まるって」 「はっ?」 バカ正直に男の子の家に泊まるって連絡を入れたのが余程驚いたのか。 宝珠が目を丸くして髪を拭いてくれていた手をピタリと止めた。 だって10年分の想いはホンモノだから。 ごまかしたり隠したりしたくないよ。