「千愛は料理出来ないしね」


「うっ……」


「あーなるほどなるほど」



こんなにアッサリとバラさなくてもいいのに……。


確かに一人じゃお料理出来ないけど。
だからって好きな男の子に作ってもらうのもちょっと女の子として情けない気がする。



そう思って顔を伏せていたわたしに、


「でも俺は千愛の為に作ってあげられるのが幸せだから」


「はいはい、また惚気るー」



呆れ顔の水希も無視して宝珠が頬を撫でたから、顔が一気に真っ赤になってしまった。


恥ずかしいから人前では辞めて欲しいのに……。


なんて、幸せな悩みにそっと小さな溜め息を零した。