「今熱でうなされてるの。一晩中あなたの名前ばかり呼んでるわ……」 「えっ……」 「傍に居るのはあたしなのに……」 指先で涙を払った顔は元の険しい表情に戻り、 「あなたばっかり狡い」 「…………」 「宝珠が辛いとき傍に居なかった癖に、ずっと宝珠に想われてる……そんなの狡いっ」 少し荒げた声が胸に突き刺さったみたいにズキズキと痛みを増していく。 ……宝珠がわたしを呼んでるの? 目の前の女の子に悪いって思ってるのに、わたしの心は宝珠を求めてしまう。 ……傍に行きたいって願ってしまう。