“……だから嫌いなんだよ。嘘つき”


そう言って突き放した宝珠の顔は、ひどく傷付いてるように見えた。



そんなの都合の良い解釈だってわかってる。



それでも、宝珠がわたしとの約束をずっと覚えてくれた事実が嬉しくて……。



そして、それを破った自分に腹が立って仕方なかった。



宝珠を好きな気持ちに嘘は無い。

周助と付き合っていたあの瞬間も、ずっと宝珠を想っていた最低なわたし。



宝珠がわたしを拒絶するのはその報いなのかもしれない。



そう、ひたすら自分に言い聞かせた。