キミの手 キミの体温


「千愛……」


真正面に立っていたのはわたしの姿に驚いたように目を見開いた宝珠。



そして、



「…………」



宝珠の左手に指を絡めて抱きつく背の高い女の子が、わたしを上から下まで睨め付けていて……頭の中が白く染まっていく。



彼女は透き通るような肌と綺麗な顔をしていて、



「っ…………」



拒まれ続けるわたしとは対照的に親しそうに宝珠に身を寄せていて……胸の奥がズキズキと痛み始める。



痛みだけじゃない。



“千愛、ずっと待ってるよ。約束”



そう言って指切りを交わした約束を黒いモヤモヤが覆っていく。



約束したのに……。


宝珠はもう、わたしを待ってくれてなんていないんだ……。



どろりと重い鉛がくっついた心が宝珠から目を逸らさせる。


泣きたいのか怒りたいのかわからない気持ちが苦しくて、気が付けば来た道を引き返している自分が居た。