春、恋咲く。〜旅立ちの日〜



――俺、みなみが好きだ。


偶然目撃した告白現場。


親友のみなみが同じクラスの坂本に告られてる場面だった。


それまでは何とも思ってなかったんだ、アイツのこと。


だけど…


「あたし、好きな人いるの。」


いつも優しいみなみがすごく残酷な人に見えた。


「うん、知ってる。」


そう言ったアイツは、涙どころか、辛そうな顔さえしないで笑ってた。


でも…


その後見てしまったんだ。


放課後は誰も来ない4階の廊下。


隅っこにしゃがみこんで、一人で泣いてるアイツの背中を。


ザーザーと激しく降る雨が、アイツの泣く声をかき消して。


ゴロゴロとうるさく響く雷が、その場を立ち去るあたしの足音を消し去った―…