結局、その日あたしの涙は止まらなくて。


断念したアイツが、泣きっぱなしのあたしを支えて歩きだし、家まで送ってくれた。


家の前まで来てようやく涙が止まり、泣き止んだ直後の出しにくい声を何とか振り絞って、「好き」と伝えた。


その後、アイツが耳元で囁いてくれた、「俺も好き」という言葉が嬉しくて、嬉しくて。


また結局涙が溢れてきて、アイツを困らせた。




家に入り部屋へあがると、泣き疲れてすぐにベッドに横になる。


結局朝の予想通り、ボロボロな顔で帰ることになっちゃったな、と1人笑った。


嬉しくてこんなに泣いたのは初めてだった。


嬉し涙って枯れないんだな、と。


そんな幸せなことを考えながら眠りに就いた。




全てが終わるはずだった日、あたしたちははじまった。






         ━END━