突然体を引かれ、不思議に思いつつ振り返る。


と、そこにいたアイツは、泣きそうに顔を歪めて俯いていた。


苦しそうに歪んだ顔が3年前のあの日の顔にダブる。


どうしてそんな顔をするの?


尋ねようとしたあたしより先に、アイツが口を開いた。




「香山は、ずるいね」