晴れやかな気分だった。


今日の朝、目が覚めたとき、こんな未来は想像していなかった。


悲しくて苦しくて。


あたしは涙で顔をボロボロにしながら家に帰るんだろうな、って思ってた。


でも、実際に迎えたさよならの時は、想像した何倍も晴れやかで、温かい気持ちが溢れてる。


そんな穏やかな気持ちを心に抱き、あたしは一歩を踏み出した。


その一歩があまりに軽くて、ふわふわと浮くような気分で二歩目を踏み出した瞬間―…


強い力で体を後ろに引かれ、浮いた足は元の位置へ戻った。