春、恋咲く。〜旅立ちの日〜

そこまで考えて、あぁそうか、と思った。


あたしたちの間には、何もなかったんだね。


何もなかったのに、終われないんじゃない。


何もなかったから、終われないんだ。


あたしの中で、どれほどの葛藤があろうが


どれほどの苦悩があろうが


アイツの中では、あたしとの恋愛は真っ皿だ。


あたしたちの間にあったものを、いくら捨てようとしようが、元からなかったものは捨てられない。


ただ、それだけのことだ。


……でも、じゃあ。


あたしの気持ちは、どうしたら終えることが出来るのかな?


終わりの見えないこの途方もない思いに、目眩がする。


くらくらして、頭が真っ白になって…


「小6のとき…」


無意識のうちに声がもれていた。