春、恋咲く。〜旅立ちの日〜

長い、長い片思いだった。


友達と笑いあった3年は、あんなにも速く過ぎていったのに


アイツを思い続けた3年は、こんなにも長く感じる。


……どうしてだろう?


同じ3年なのに、何でこんなに違うんだろう?


その答えは、わからないけど、わからないままでいいのかもしれない。


だって今はもう、そんなことはどうでもいい。


バッシュに、ボールに、ユニフォーム。


あたしとアイツの繋がり。


“バスケ”


それを置いて行くことで、あたしは今日恋を終える。


バッシュやボールは、もういらないものだし、後輩たちが使ってくれたらいい。


あたしの恋の残骸を後輩たちに明け渡すのは、何だか申し訳ないけれど。


そうしているうちにいつかは、この恋心も消えてなくなるだろう。