春、恋咲く。〜旅立ちの日〜

3年…


長い、長い…


そう思って入学したあの日から、あたしは何か見つけられたのかな?


その、長いようで短い時間の中で、あたしは何かを掴めたのかな?


何か、変われたのかな…?


「坂本 拓斗。」


「はい。」


いつになく落ち着いた低い声は、私の涙をそそる。


あぁ、卒業なんだ…


そう思うとどうしようもなく切なくなった。